入歯ってかなり昔から使われてたという

日本はカラクリ技術が発達していたり、巨大建築の技術が昔からあるなどで、手先が器用な技術者が数多くいました。それに想像力が豊かな人々が大勢いたので、東アジアでも中世以前の文化的な道具や作品が多く残っています。特に飛鳥時代以降では、大陸の技術を取り入れ、日本の技術力は飛躍的に向上していきました。

入歯についても、日本人は昔から木製のものを利用していて、平安時代の頃からすでに使っていた記録があるそうです。平安時代人が使っていたものを、現代人も使っているとは。最も古いものでは室町時代の現物が残されているというから驚きです。近隣諸国では、中国や韓国には昔の入歯は見つかっていないし、ほとんど普及していなかったと見られています。

昔の技術者は、人の口の中の形を取って作成していたのでしょうか。昔はものを食べるためではなくて、外からの見栄えを良くするためだけに、入歯を作って口の中に入れていたそうです。とりあえず見栄えさえよくなれば、という外見だけを優先した考え方は、当時は仕方なかったのでしょう。
歯茎に吸着して、物を噛み砕くという技術が完成したのは19世紀になってからのことでした。それまでは人に会っても食事ができないということにもなっていたでしょう。

つまり近年の技術というのは非情に優れているので、物を噛み砕けるのは当たり前みたいに考えられていますが、ここまで辿り着くまでには、かなり改良に改良を重ねた過去があったということです。

参考 入歯の歴史

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